スタッドレスタイヤにしない危険性

タイヤレンタルコラム

スタッドレスタイヤにしないとまずい?危険性を検証

雪国に住んでいない人にとっても冬のタイヤをどうするかは懸念材料になりつつあります。最近ではめったに雪が降らないはずの地域でも冬になると大雪が降り、路面状況が悪くなって事故が頻発した、というニュースが増えるようになってきました。

 

とはいえ、雪が降るといっても一日か二日程度なのだし、そのためにタイヤを換えるのは大げさな話だ、と思っている方も多いでしょう。ただ、雪が降らないにしてもタイヤを換えておくのは大切なことです。冬は乾燥しやすい季節ではありますが、一方で雨が降ることは珍しくありません。太陽の出ている日中ならともかく、冷え込む夜中に雨が降ったらどうなるでしょう。路面が凍結してしまって、とても普通のタイヤでは走れなくなるのは必至です。

 

こうしたことをしっかりと認識するために、今回は雪道でスタッドレスタイヤにしないとどうなるかを、徹底的に検証していきます。

 

雪国にとってスタッドレスタイヤは不可欠なもの!

首都圏に住んでいる方ならともかく、雪国に住んでいる方にとって冬タイヤを持っていることは義務といってもいいくらいです。

 

大半のご家庭が家に冬タイヤを常備しており、カーサービス店に持参した上でタイヤ交換をお願いしたり、時には自分で装着キットを使ってタイヤ交換をしているというところも少なくありません。もし、これを怠ったらどうなるのでしょうか。

 

基本的に自動車のタイヤは路面との摩擦効果を利用してブレーキがかかるようになっています。日本の国道の大半はアスファルトでできていますが、これもひとえに摩擦が掛かりやすいから、といえるでしょう。ただ、路面が雪に覆われたりするとこの摩擦効果は生じにくくなります。雪の表面は凸凹が少ないため、タイヤの断面が食いつきにくくなり、そのせいでお互いが擦れあうことがなくなってしまうのです。そしてこうした雪道でブレーキをかけたとしても、思うようには停止できなくなってしまいます。

 

ブレーキが効かずに大事故に!?

自動車がブレーキをかけたとしてもすぐ止まれるわけではありません。正確には制動距離といって、ブレーキが完全に効くまで車は一定距離走り続けるのです。時速60キロの車が急ブレーキをかけても止まるまでは約40メートル進まざるを得ないといわれています。

 

とはいえ、これはあくまでも路面状況が良い道路で実験した結果にすぎません。もしこれが雪道だったらどうでしょうか。普通の路面に比べ、雪道の滑りやすさはおよそ3倍になるとされています。単純に計算しても、ブレーキを掛けてから止まるまでは100メートルくらい走らざるをえない、と見積もっていいでしょう。

 

100メートルと言えば相当な距離です。もし交差点で信号が黄色に変わりかけるのを見て、慌てて急ブレーキを踏んだとしても、普段の道なら止まれるはずなのに雪道のせいで交差点の真ん中にまで進んでいた、ということは十分あり得るでしょう。さらに、歩行者が突然道を横切ってきた時のことも考えなくてはいけません。

 

見通しのききやすい日中ならともかく、見通しの悪い夜中ならより注意が必要です。先程も述べたように夜は路面が凍結しやすくなっています。普通の雪道と違って凍結していれば滑りやすさはさらに高まって、8倍になるとされています。ブレーキをかけても200メートル以上進む計算となれば、助かる命も助かりません。

 

こうしたことを踏まえるならば、なおさら冬タイヤに変えることは欠かせないのです。

 

スタッドレスタイヤは摩擦を増やしてくれる!

以上、ノーマルタイヤで雪道を走ることの危険性について紹介してきました。ここまで読んできて、もしもの時に備えてスタッドレスタイヤを着けておこう、と考えた方も多いのではないでしょうか。とはいえ、一方で本当にスタッドレスタイヤを付ければ大丈夫なのか、と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

 

スタッドレスタイヤがどのようにして作られているかと言うと、ノーマルタイヤに比べて溝が深く作られているのが特徴です。溝が深く作られていればそれだけ雪と接着する面が多くなり、摩擦効果が高まりやすくなるので、ブレーキが効きやすくなります。またタイヤのゴムは冷えると固まりやすくなり、性能が落ちやすくなってしまうのですが、スタッドレスタイヤの場合はその心配がありません。

 

もっとも、だからといってスタッドレスタイヤにすれば雪道では安全かというと、そうとは言い切れません。あくまでスタッドレスタイヤはノーマルタイヤに比べて制動距離を縮めてくれるだけであって、完全に通常の路面と同じ状況を作り出すものではないのです。雪道を走る際は備えを万全にした上で、普段以上に安全運転を心掛けながら緩やかな速度で走ることが重要になるでしょう。

 

もし家に常備するのは購入費がかかるのでちょっと、と言う場合は、レンタルを行っている店を探してもいいかもしれません。

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